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「二つの太極拳」

最近、もう一つの太極拳にはまっている。
 一つはもちろん我々の双辺太極拳だ。
陳式、楊式、呉式を研究された陳pan嶺先生が、形意拳・八卦掌の要素を加味して創始し、張榮明師祖父がそれぞれの要素をより際立たせた形で新たに編纂した、自分が本当に素晴らしいと惚れ込んだ太極拳である。
 ではもう一つの太極拳とは、なにか。
もしかしたら他派のものか?というと、そうではない。
最近、ハマっている太極拳。それは、あえて「八卦掌と形意拳の要素を抜いた双辺太極拳」なのである。
このブログを始めたときは、確かに形意拳と八卦掌については、より純度を追求していくというスタンスであったが(注:それは三拳融合を試みられた中で絶対的に混じり合わないものがあり、その混じり合わない要素をその拳法のオリジナリティと捉え、それらによって構成されていると言う意味で)、太極拳だけは三拳が含まれていることこそ双辺太極拳の特徴であると思っていたし、そこに独自性や誇りと感じていればこそ、形意・八卦の要素を抜くと言う発想は全くなかったといってよい。
 ところが、
「八卦掌と形意拳の要素を抜いた双辺太極拳」
という発想が、ふとしたきっかけで生まれた。
 それは、軽い気持ちと思いつきで始めた作業ではあったが、実際にやり始めてみるとその面白さにどんどんはまっていくのを感じた。そして不思議なことに、シンプルな太極拳にしていけばいくほど、かえって三拳の繋がりが感じられるのだ。
違っているのに、かえって繋がる。
これは意外な効果でもあったし、予想外の展開でもあった。
また、いつもの双辺太極拳とは違った効果もあるのも、いろんな人の感想からわかってきた。
我々の双辺太極拳は、段階が進めば進むほど八卦掌の要素が強くなっていくが、それをあえて「抜く」という方向に働かせるのはまさに逆転の発想であろう。
 しかし、こうしたフレキシビリティを持つというのも、我々の三拳弊習のスタイルとも言えるのかも知れない。
ちなみに、三拳融合をはかった我々の双辺太極拳から形意拳と八卦掌の要素を抜けば、純粋な太極拳が現れるのかと言うと、そういうわけでもない。
確かに技の中には一部、先祖がえりのように、陳式や楊式に出てくる形に似たものに変わってしまうものもあるが、やはり全体としては、いずれの太極拳とも違う「我々独自の雰囲気と理合いを持った太極拳」と言えるだろう。
 それら技の変化の過程を味わうことが出来たのは良い経験と気づきであったし、何より、我々の太極拳の解釈とはこうなのだということが、より明確になってきた。
明鏡拳舎では、普段の双辺太極拳と区別するために、太極拳的なエッセンスを学ぶ為の套路と言う意味で「精花太極拳」と呼んでいるが、その精花太極拳は素直で非常にシンプルでありながら、生徒たちからの評判も良い。
というより、冒頭で書いているようにまず自分自身がはまっている。(笑)
 素直でシンプルな精花太極拳。
 これを亡くなった弟子に見せたなら、きっと「うわーっ」と目を輝かせて喜んだに違いない。常に「痛み」に苛まされ、歩くことすら難しい状態だったであろうに、この武術で培った繊細な重心移動や立ち方で、「歩く」ということを「再現」していた弟子。
 この精花太極拳がもっと早く生まれていたらと、ふと考えをめぐらせてしまう。
 「成長 ~ 日記より(1)~」に書いた、弟子の太極拳のこと。
「日曜日の午後、お見舞い&個人レッスンでH.Kさんの病室に伺った時、外の光が射す白い壁の部屋の中で、H.Kさんの太極拳を見せていただきました。一切の無駄のとれた、素直で、美しい太極拳でした。点滴のチューブを付けながら、手術したばかりの身体で、自分の身体を感じながら丁寧に丁寧にこの太極拳を打っているH.Kさんの姿が目に浮かぶようでした。それは、第二の站椿を形をとりながら、小さな歩幅で行う、動きの少ない太極拳でしたが、真面目に地味な站椿をする事からはじまり、僕が教えた通り真摯に意識して感じながら行っている姿が、H.Kさんが積み重ねてきたもの全てが、そこに見えた気がしました。套路は嘘をつきません。僕は、こんなに尊い太極拳を見たことはありませんでした。」
その弟子の太極拳に応えるような太極拳が、今になって自分の中に出来上がった、そんな気がしてならない。
そう。弟子や学生も含めて、生徒たちがいなければ生まれてこなかった太極拳だ。
例え周りにとっては価値は感じられなくとも、我々はその効果を知り、様々な意味を持ちながら大切に思う。
一人一太極拳。
そんな太極拳があっても良いだろう。
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是非一度拝見したいです!

Re:

今度、機会がありましたらお見せしますね。(笑)
プロフィール

Author:宇野 道夫
「内功武術 明鏡拳舎」を主宰。
陳[シ半]嶺(Chen Pan Ling)の流れをくむ
太極拳・形意拳・八卦掌
の三拳を修めている。
縁あって愛知県の江南市。神奈川県の相模原市で後継者の育成にあたっている。

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